名称
- 和名:天髎(てんりょう)
- 経穴:手の少陽三焦経(TE15)
- 英名:Tianliao (TE15)
取穴(位置・取り方)
- 肩上部、肩井(GB21)と肩髃(LI15)を結ぶ線の中点付近で、肩甲上角の高さに取る。
- 肩関節をやや外転させると陥凹が明瞭になり、取穴が容易になる。
- 胸郭の上部と肩の境界にある位置で、頸部から肩への移行部にあたる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:僧帽筋上部、肩甲挙筋。
- 神経:副神経(副神経枝)、頸神経叢の枝。
- 血管:頸横動脈。
東洋医学的作用(要点)
- 疏風解表:外感風邪の頭項部症状を和らげる。
- 理気止痛:肩部・項部の痛みや緊張を緩和する。
- 通絡活血:経絡の滞りを改善し、血流促進を図る。
主な適応
- 肩こり、僧帽筋の緊張。
- 肩関節周囲炎(五十肩)。
- 頸部痛、項強。
- 咳嗽、気管支炎。
- リンパ節腫脹。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:斜めに肩甲骨方向、または直刺。
- 刺入深さ:0.3〜0.5寸(約10〜15mm)。
- 注意点:深刺すると肺尖部に達する危険があるため、必ず浅刺を基本とする。
- 灸法:肩こりや風邪による項背部のこわばりに温灸を用いる。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 天髎(TE15)は、肩こりや項背部の緊張に用いられる重要な経穴です。特に僧帽筋の過緊張やストレス性肩こりに応用されます。
- 肩こり・項背部のこわばり:天髎(TE15)+肩井(GB21)+風池(GB20)。
- 肩関節周囲炎:天髎(TE15)+臑会(TE13)+肩髃(LI15)+天宗(SI11)。
- 風邪による項背部のこわばり:天髎(TE15)+大椎(GV14)+風門(BL12)。
- 臨床的には、肩こり・風邪症状・呼吸器疾患にまたがって応用され、肩部と胸郭の境界で「気の停滞を解き放つ」穴として知られています。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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