臑会まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:臑会(じゅえ)
  • 経穴:手の少陽三焦経(TE13)
  • 英名:Nao Hui (TE13)


取穴(位置・取り方)

  • 上腕後外側、清冷淵(TE11)肩髃(LI15)を結ぶ線上で、清冷淵の上方3寸に取る。
  • 三角筋の後縁、上腕三頭筋の外側頭との境界に位置する。
  • 肩関節をやや外転させると陥凹が明瞭になり、取穴しやすい。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋肉:三角筋後部、上腕三頭筋外側頭。
  • 神経:橈骨神経、後上腕皮神経。
  • 血管:後上腕回旋動脈。


東洋医学的作用(要点)

  • 疏経活絡:少陽経の経絡を疏通し、肩や上腕の経筋病に有効とされる。
  • 消腫散結:局所の腫脹や結節(瘰癧・腫瘍など)に応用される。
  • 通絡止痛:肩関節や上腕部の疼痛、運動障害の改善を図る。


主な適応

  • 肩関節周囲炎(五十肩)。
  • 上腕部の疼痛・麻痺。
  • 瘰癧(頸部リンパ節腫大)。
  • 上肢の運動障害や挙上困難。
  • 耳鳴り・難聴など少陽経関連症状。


刺鍼(実践上の注意)

  • 刺入方向:直刺または肩関節方向へ斜刺。
  • 刺入深さ:0.5〜1.0寸(約15〜25mm)。
  • 注意点:橈骨神経に近いため、強い放散痛がある場合は直ちに抜鍼する。
  • 灸法:局所の冷えや慢性の肩関節障害に応用可能。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 臑会(TE13)は、肩関節の動きを改善する重要な経穴で、特に肩の外転制限や上肢の挙上困難に応用されます。
  • 肩関節周囲炎(五十肩):臑会(TE13)+肩髃(LI15)臑兪(SI10)天宗(SI11)
  • 上腕痛・麻痺:臑会(TE13)+清冷淵(TE11)曲池(LI11)
  • 瘰癧・腫脹:臑会(TE13)+天容(SI17)翳風(TE17)
  • 経穴名の「会」には「集まる」「会合する」という意味があり、少陽経と手陽明経の気が交わる要所として、肩・上腕部の経絡病に幅広く応用されます。


※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:

コメントを投稿