天容まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:天容(てんよう)
  • 経穴:手の太陽小腸経(SI17)
  • 英名:Tianrong (SI17)


取穴(位置・取り方)

  • 顔面部、外眼角から直下に下ろし、頬骨下縁の下方の陥凹部に取る。
  • 巨髎(ST3)と四白(ST2)の間に位置し、頬骨弓直下を指標とする。
  • 顔面神経や咀嚼筋の関連症状に用いられた。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋肉:咬筋、上唇挙筋。
  • 神経:顔面神経枝(三叉神経第2枝:上顎神経)。
  • 血管:顔面動脈・静脈。
  • その他:副鼻腔(上顎洞)に近接。


東洋医学的機能(要点・古典的記載)

  • 祛風通絡:顔面の風邪侵入による麻痺や痙攣に応用された。
  • 利目止涙:目の腫れや流涙を調整する目的で用いられた。
  • 鎮痛作用:顔面部の痛み・痙攣に対して古典的に有効とされた。


古典的応用例

  • 顔面神経麻痺:口眼歪斜、顔面のこわばり。
  • 三叉神経痛:顔面部の疼痛。
  • 眼疾患:目の腫脹、流涙。
  • 鼻疾患:鼻閉、鼻炎様症状。


刺鍼法(古典的記載・参考)

  • 刺入方法:0.3〜0.5寸、直刺またはやや斜め刺。
  • 古典的記載:顔面の風熱・疼痛・麻痺に用いられた。
  • 灸法:古典ではあまり記録されないが、局所温灸が参考例として残る。

※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。顔面神経や血管が豊富な部位のため、施術は必ず国家資格を持つ専門家のもとで行ってください。



禁忌・注意(参考)

  • 顔面神経や血管が多く分布するため、強刺激を避ける。
  • 出血・内出血のリスクがあるため、浅刺が推奨される。
  • 顔面部は美容面での影響もあるため、施術には細心の注意が必要。


臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)

  • 顔面麻痺:地倉(ST4)、頬車(ST6)と組み合わせて調整された。
  • 眼症状:睛明(BL1)、陽白(GB14)と併用された。
  • 鼻疾患迎香(LI20)攅竹(BL2)と組み合わせることで鼻閉に対処するとされた。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:

コメントを投稿