名称
- 和名:顴髎(けんりょう)
- 経穴:手の太陽小腸経(SI18)
- 英名:Quanliao (SI18)
取穴(位置・取り方)
- 顔面部、外眼角の下方、頬骨下縁の陥凹部に取る。
- 患者に軽く口を開けてもらうと、咬筋の動きにより陥凹が触れやすい。
- 頬骨弓の下で触れるくぼみを確認すると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:上唇挙筋、咬筋の前方部。
- 神経・血管:顔面神経の分枝(頬骨枝)、眼窩下神経、顔面動静脈の枝が分布する。
東洋医学的作用(要点)
- 局所の通絡作用:顔面神経麻痺、顔面痙攣、三叉神経痛に応用。
- 鎮痛・鎮痙:顔面痛、歯痛、痙攣性疾患に有効とされる。
- 美顔・整容:顔の血流や筋肉の緊張を調整するため、美容鍼灸でも用いられる。
主な適応
- 顔面神経麻痺、顔面痙攣。
- 三叉神経痛、頬部の神経痛。
- 歯痛、頬部の腫脹・炎症。
- 眼の充血、まぶたの痙攣。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:皮膚に沿って浅く斜刺、またはやや内上方へ。
- 深さ:0.3〜0.5寸(約5〜10mm)。深刺は禁忌。
- 針具:0.14〜0.20mm、長さ15〜25mm程度。
- 灸法:局所の炎症がなければ温灸も可能。
- 注意点:顔面神経や血管が豊富なため、内出血防止に刺入角度と深度を厳守する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 顴髎(SI18)は顔面部の代表的な治療点で、特に顔面神経麻痺や痙攣に広く用いられます。
- 顔面神経麻痺では、地倉(ST4)・頬車(ST6)・翳風(TE17)と組み合わせると回復を助けます。
- 三叉神経痛や歯痛には下関(ST7)・頬車(ST6)との併用が有効です。
- 眼の症状が強い場合は、睛明(BL1)や攅竹(BL2)を追加すると良いとされます。
- 美容鍼灸では、顔面部の血流改善を目的に、攅竹(BL2)・四白(ST2)・頬車(ST6)などと合わせると、リフトアップや肌質改善の効果が期待されます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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