名称
- 和名:眉衝(びしょう)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL3)
- 英名:Meichong (BL3)
取穴(位置・取り方)
- 前額部、眉毛の上方、眉毛内端から約0.5寸上に取る。
- 正中線(神庭CV24)と眉毛内端(攅竹BL2)を基準に、その中間よりやや内側の位置を目安に取穴する。
- 眉間部から頭頂方向へ触診し、皮膚がやや柔らかく陥凹する部位を確認すると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:前頭筋。
- 神経・血管:眼窩上神経、滑車上神経およびその血管枝が分布する。
東洋医学的作用(要点)
- 清頭明目:頭痛やめまいを軽減し、眼疾患に応用される。
- 疏風止痛:風邪による頭痛や鼻塞感の改善を図る。
- 通竅作用:鼻閉、蓄膿など顔面上部の閉塞感に有効とされる。
主な適応
- 頭痛、前額部痛、めまい。
- 眼疾患(充血、流涙、視力減退)。
- 鼻閉、蓄膿症、副鼻腔炎。
- 顔面神経麻痺、三叉神経痛。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:皮膚に沿って浅く斜刺。
- 深さ:0.3〜0.5寸程度(約5〜10mm)。深刺は禁忌。
- 針具:0.14〜0.20mm、長さ15〜25mm程度。
- 灸法:眼疾患や鼻疾患には知熱灸や温灸を補助的に用いることもある。
- 注意点:眼窩に近接するため、眼球方向への刺入は厳禁。出血や腫脹にも注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 眉衝(BL3)は特に頭痛や眼・鼻の疾患に有効とされます。
- 前頭部痛には攅竹(BL2)・印堂(EX-HN3)・太陽(EX-HN5)と併用すると効果的です。
- 眼疾患では睛明(BL1)・瞳子髎(GB1)・太陽(EX-HN5)と合わせると視覚症状の改善が期待されます。
- 鼻閉や副鼻腔炎には印堂(EX-HN3)・迎香(LI20)と組み合わせると通鼻作用が増強します。
- 美容鍼では前額部のリフトアップやしわ改善にも用いられます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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