名称
- 和名:輒筋(ちょうきん)
- 経穴:足の少陽胆経(GB23)
- 英名:Zhejin (GB23)
取穴(位置・取り方)
- 側胸部、第5肋間、前腋窩線上。
- 乳頭を基準にして水平にたどり、前腋窩線と交わる部位に取る。
- 上方の淵腋(GB22)のすぐ前方に位置する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:前鋸筋、大胸筋。
- 神経:肋間神経前枝・外側皮枝。
- 血管:肋間動脈、外側胸動脈。
- 臓器:深部に肺があるため、刺鍼には特に注意。
東洋医学的作用(要点)
- 寛胸理気:胸脇の張り・痞えを解消。
- 止咳平喘:咳嗽、呼吸困難に対応。
- 消腫散結:乳房の腫脹や炎症に効果。
主な適応
- 肋間神経痛、胸脇部痛。
- 咳嗽、喘息、呼吸困難。
- 胸悶、動悸。
- 乳腺炎、乳房腫脹。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:斜刺または横刺。
- 刺入深さ:0.5〜0.8寸。
- 灸法:温灸・知熱灸が適す。
- 注意点:深刺による気胸の危険があるため、肋骨に沿った方向で慎重に行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 輒筋(GB23)は、淵腋(GB22)と近接し、胸脇部の気機を整える作用が強い経穴です。特に呼吸器疾患や乳腺疾患で活用されます。
- 胸脇苦満・肋間神経痛:淵腋(GB22)、期門(LR14)、日月(GB24)と併用。
- 呼吸器症状:中府(LU1)、肺兪(BL13)、乳根(ST18)との組み合わせが有効。
- 乳房疾患:肩井(GB21)、乳根(ST18)、少沢(SI1)と併用し、乳腺炎や乳汁分泌不全に対応。
- 臨床では「胸脇の張りや痛み」を訴える症状に対して、GB22・GB23をペアで取ることが多いのが特徴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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