名称
- 和名:日月(じつげつ)
- 経穴:足の少陽胆経(GB24)、胆の募穴
- 英名:Riyue (GB24)
取穴(位置・取り方)
- 前胸部、第7肋間、前正中線の外方4寸。
- 乳頭直下の第7肋間を触知し、その高さで前正中線から外方4寸に取る。
- 胆の募穴であり、胆経や肝胆の機能異常に関連する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:外肋間筋、内肋間筋。
- 神経・血管:肋間神経、肋間動静脈。
- 深部臓器:肝臓、横隔膜。深刺で臓器損傷の危険があるため要注意。
東洋医学的機能(要点)
- 疏肝利胆:胆石症、胆嚢炎、肝胆疾患に用いる。
- 和胃降逆:悪心、嘔吐、胸脇部痛に効果がある。
- 調気止痛:脇痛、季肋部の張りや痛みに適応。
臨床応用(胆嚢疾患・消化器症状など)
- 胆石症や胆嚢炎に伴う右季肋部の痛みには、日月(GB24)を胆兪(BL19)、陽陵泉(GB34)と組み合わせることで疏肝利胆の作用を高めます。
- 胸脇部の張りや痛み、ストレスに伴う脇痛には、日月(GB24)を期門(LR14)、太衝(LR3)と併用し、肝気鬱結を解消します。
- 悪心や嘔吐など胃の症状には、日月(GB24)を中脘(CV12)、内関(PC6)と組み合わせ、和胃降逆を行います。
- 胸のつかえ感や消化不良には、日月(GB24)を膻中(CV17)、足三里(ST36)とあわせると効果的です。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.22mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 肋間に沿って斜刺0.5–0.8寸。
- 直刺は禁忌。深刺は肝臓や横隔膜損傷の危険がある。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:知熱灸や温灸も有効。慢性胆嚢炎や冷えを伴う症状に適する。
禁忌・注意
- 直刺・深刺は避ける。肝臓損傷の危険がある。
- 刺鍼中に鋭い痛みや圧迫感が出た場合はすぐに抜鍼する。
- 肋間神経痛との鑑別に注意し、過敏な部位では軽刺激を心がける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 胆嚢疾患には、日月(GB24)を胆兪(BL19)、陽陵泉(GB34)と組み合わせることで疏肝利胆の効果が明確になります。
- ストレス性の胸脇部痛や肝気鬱結には、日月(GB24)を期門(LR14)、太衝(LR3)と併用し、肝胆の疏泄を調えます。
- 悪心や嘔吐など胃腸症状には、日月(GB24)を中脘(CV12)、内関(PC6)と組み合わせると和胃降逆の効果が高まります。
- 消化不良や胸のつかえ感には、日月(GB24)を膻中(CV17)、足三里(ST36)と組み合わせ、気機を調えて症状を改善します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿