帯脈まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:帯脈(たいみゃく)
  • 経穴:足の少陽胆経(GB26)
  • 英名:Daimai (GB26)


取穴(位置・取り方)

  • 側腹部、臍の高さで前腋窩線上。
  • 肋骨弓下から臍を通る水平線を引き、前腋窩線と交わる部位に取る。
  • 婦人科系症状との関わりが深く、「帯脈(帯脈という奇経)」の名を持つ。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下脂肪。
  • 筋肉:腹外斜筋、腹横筋。
  • 神経:第10肋間神経の前皮枝。
  • 血管:肋間動脈枝。
  • 臓器:深部に腹膜腔があり、過度な深刺は危険。


東洋医学的作用(要点)

  • 帯脈を調整:婦人科症状に特効的に働く。
  • 疏肝理気:肝気鬱結による脇腹の張りを緩和。
  • 健脾利湿:下腹部の重だるさ、白帯下などに応用。


主な適応

  • 婦人科疾患:月経不順、帯下、子宮脱、産後の回復。
  • 泌尿器系:排尿困難、頻尿。
  • 消化器系:下腹部膨満、腹部痞え。
  • 腰痛、脇腹の張り。


刺鍼(実践上の注意)

  • 刺入方向:横刺または斜刺。
  • 刺入深さ:0.5〜1.0寸。
  • 灸法:知熱灸、温灸が婦人科疾患に有効。
  • 注意点:腹腔が近いため、深刺は避ける。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 帯脈(GB26)は、奇経「帯脈」の名前を持つ唯一の経穴であり、特に婦人科疾患における要穴とされています。
  • 婦人科系疾患(帯下・月経不順):帯脈(GB26)+関元(CV4)三陰交(SP6)
  • 下腹部の冷え・子宮脱:帯脈(GB26)+大赫(KI12)気衝(ST30)
  • 腰痛・脇腹の張り:帯脈(GB26)+腎兪(BL23)太衝(LR3)
  • 特に「帯下(おりもの異常)」に対しては、古典から現代臨床まで幅広く応用される代表的な経穴です。


※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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