名称
- 和名:小海(しょうかい)
- 経穴:手の太陽小腸経(SI8)、合水穴
- 英名:Xiaohai (SI8)
取穴(位置・取り方)
- 肘関節部、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部に取る。
- 肘を屈曲すると、肘頭と内側上顆の間に明確な陥凹が触知できる。
- 小腸経の合水穴であり、経気を鎮め、熱を清する要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋:尺側手根屈筋、浅指屈筋起始部。
- 神経・血管:尺骨神経、上腕動脈・尺側側副動脈が近接。刺鍼時に注意が必要。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱作用:小腸経の熱を除き、頭顔面部の熱症状を鎮める。
- 利尿作用:小腸と膀胱の関係から排尿障害やむくみに応用。
- 鎮痛作用:肘・肩・頸部など小腸経沿線の痛みに有効。
- 安神作用:精神不安、癇症など神経症状にも利用される。
臨床応用(関節痛・泌尿器症状・感覚器症状など)
- 肘関節痛や腱鞘炎には、小海(SI8)を曲池(LI11)、手三里(LI10)と組み合わせ、肘周囲の炎症や疼痛を改善します。
- 頭痛や目赤、耳鳴りなどの熱症状には、小海(SI8)を陽谷(SI5)、風池(GB20)と組み合わせ、清熱・鎮痛を図ります。
- 排尿困難やむくみには、小海(SI8)を中極(CV3)、腎兪(BL23)と併用し、小腸・膀胱の機能を調整します。
- 精神不安や神経症状には、小海(SI8)を神門(HT7)、太衝(LR3)と合わせ、心火を鎮めて安神効果を高めます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方法:直刺または斜刺で0.5〜1寸(約15〜25mm)。
- 推奨針サイズ:直径0.16〜0.25mm、長さ30〜40mm。
- 灸法:温灸・知熱灸は関節痛や冷えを伴う排尿障害に有効。
- 注意点:深刺では尺骨神経への刺激を避けること。
禁忌・注意
- 刺鍼時に尺骨神経を刺激すると電撃痛が走るため、骨際を避け浅めに刺入。
- 炎症や腫脹部位への過剰刺激は避ける。
- 虚弱体質や高齢者では強刺激を控える。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 小海(SI8)は小腸経の合水穴で、経気の清熱と利尿作用が特徴です。局所の肘痛だけでなく、全身的な熱症状や泌尿器系症状にも幅広く応用できます。
- 肘関節痛には、曲池(LI11)や手三里(LI10)と組み合わせ、炎症を抑えつつ可動域を改善します。
- 頭痛や感覚器の熱症状では、陽谷(SI5)や風池(GB20)との組合せで清熱・鎮痛効果を高めます。
- 排尿困難やむくみでは、中極(CV3)、腎兪(BL23)との組み合わせが有効です。
- 精神不安や不眠には、神門(HT7)、太衝(LR3)との組合せで安神効果を引き出すことができます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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