名称
- 和名:大鐘(だいしょう)
- 経穴:足の少陰腎経(KI4)、絡穴
- 英名:Dazhong (KI4)
取穴(位置・取り方)
- 足内側、内踝の後下方、アキレス腱付着部の前方陥凹部に取る。
- 内果尖とアキレス腱の間を触れ、やや下方のくぼみを目安にする。
- 腎経の絡穴であり、腎と膀胱経をつなぐ要穴。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉・腱:アキレス腱付着部、後脛骨筋腱。
- 神経:脛骨神経の枝。
- 血管:後脛骨動脈の分枝。
東洋医学的機能(要点)
- 腎を補益:腎虚による呼吸器・泌尿器・婦人科疾患に応用。
- 接続経絡:腎と膀胱の経絡をつなぐことで、水分代謝を整える。
- 安神作用:心腎不交により生じる不眠や健忘に用いられる。
- 腰膝を強壮:腰膝酸軟、足の冷えに有効。
臨床応用
- 呼吸器疾患:大鐘(KI4)を列缺(LU7)、肺兪(BL13)と併用して、慢性咳嗽や気管支炎を調整。
- 泌尿器疾患:大鐘(KI4)を関元(CV4)、腎兪(BL23)と組み合わせて、頻尿・夜間尿・遺尿に応用される。
- 不眠・精神不安:大鐘(KI4)を神門(HT7)、照海(KI6)と併用し、心腎不交による不眠や多夢の改善を図る。
- 腰痛・下肢虚弱:大鐘(KI4)を委中(BL40)、足三里(ST36)と合わせて腰膝を強化を図る。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺または斜刺。
- 古典的記載:0.3〜0.5寸刺入。
- 灸法:冷えや腎虚症状には温灸が用いられる。
※これは古典文献に基づく参考記載です。実際の施術は必ず有資格者の指導のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 後脛骨動脈・神経が近いため、深刺や強刺激を避けるべきとされる。
- 古典でも妊婦への刺激には注意が必要とされている。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 大鐘(KI4)は腎経の絡穴であり、腎と膀胱をつなぐため、水分代謝の不調や泌尿器疾患に頻用される。
- 呼吸器疾患では、列缺(LU7)とセットで「腎肺相生」を意識し、慢性咳嗽の改善を図る。
- 泌尿器疾患では、腎兪(BL23)、関元(CV4)と組み合わせることで腎気を補い、排尿異常の改善を促す。
- 精神神経症状では、神門(HT7)、照海(KI6)と併用して心腎不交を調整し、不眠や不安感の改善を図る。
- 腰膝酸軟には、委中(BL40)、足三里(ST36)とあわせて下肢の補強に用いられることがある。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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