足通谷まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:足通谷(あしつうこく)
  • 経穴:足の太陽膀胱経(BL66)、滎水穴
  • 英名:Zutonggu (BL66)


取穴(位置・取り方)

  • 足の小趾、第五中足指節関節の後方、赤白肉際に取る。
  • 小趾基節骨と中足骨との間の陥凹部が目安。
  • 膀胱経の滎穴であり、水穴。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚、皮下組織。
  • 筋:小趾外転筋腱の近く。
  • 骨:第五中足骨基部。
  • 神経・血管:外側足背皮神経、足背動脈・静脈の枝。


東洋医学的機能(要点)

  • 清熱瀉火:膀胱経にこもった熱を取り除く。
  • 利水通淋:小便不利、尿路の熱・淋症に用いる。
  • 安神:心の熱を冷まし、心煩・不眠・焦燥感を鎮める。
  • 頭目清利:頭痛・目の充血・めまいに効果。


臨床応用

  • 膀胱経の実熱証による頭痛、目の充血、顔面紅潮などには、足通谷(BL66)を太衝(LR3)風池(GB20)と組み合わせて清熱鎮静を図ります。
  • 小便不利や淋症、尿路の灼熱感を伴う場合は、足通谷(BL66)を陰陵泉(SP9)三陰交(SP6)と併用し、利水通淋の効果を高めます。
  • 心煩・焦燥・不眠など精神的な落ち着きがない場合には、足通谷(BL66)を神門(HT7)内関(PC6)と組み合わせて心火を鎮め、安神を促します。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方法:直刺または斜刺で0.2〜0.5寸(約5〜15mm)。
  • 推奨針サイズ:直径0.14〜0.18mm、長さ15〜30mm。
  • 保持時間:10〜15分。清熱・利水目的では軽刺激が望ましい。
  • 灸法:灸は熱症状が強い場合は避ける。冷えや虚証が伴う場合は温灸を可。


禁忌・注意

  • 熱証の治療に多用されるため、虚寒タイプには不向き。
  • 妊娠中は刺激を控える。
  • 炎症部位や皮膚疾患のある場所には直接刺鍼しない。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 足通谷(BL66)は「滎穴(水穴)」として、膀胱経にこもった熱を冷まし、尿路や頭部・精神症状に効果を発揮します。特に「清熱・利水・安神」の三大作用がポイントです。
  • 頭痛・目赤・顔面紅潮には、太衝(LR3)風池(GB20)と組み合わせて肝火上炎を鎮める。
  • 尿路症状には、陰陵泉(SP9)三陰交(SP6)と併用して利水通淋を強める。
  • 不眠や心煩には、神門(HT7)内関(PC6)と合わせて心火を鎮める。
  • このように用途ごとに清熱・安神・利水のどこを重視するかで配穴を工夫すると効果的です。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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