名称
- 和名:束骨(そっこつ)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL65)、兪木穴
- 英名:Shugu (BL65)
取穴(位置・取り方)
- 足の小趾の後方、第5中足骨の後縁と小趾基節骨との間の陥凹部に取る。
- 小趾外側の骨際で、押圧すると圧痛が出やすい部位。
- 膀胱経の兪穴(木穴)にあたり、木の性質を持つ。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 骨:第5中足骨基部。
- 神経・血管:足背動脈の枝、外側足背皮神経の分枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱利水:膀胱経にこもった熱を鎮め、小便不利を改善する。
- 通絡止痛:経絡の気血を巡らせて痛みを止める。
- 鎮静安神:精神を安定させ、不眠・焦燥感を和らげる。
- 頭目清利:頭痛・目の赤み・めまいに効果。
臨床応用
- 頭痛や目の充血には、束骨(BL65)を太衝(LR3)、風池(GB20)と組み合わせて清熱し、上衝する気を鎮めます。
- 腰痛や下肢痛には、束骨(BL65)を崑崙(BL60)、承山(BL57)と併用して、経絡の気血を通じさせ疼痛を緩和します。
- 不眠や精神不安には、束骨(BL65)を神門(HT7)、内関(PC6)と組み合わせて心火を鎮め、安神効果を高めます。
- 尿路感染や排尿困難には、束骨(BL65)を陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6)と併用して利水作用を強めます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方法:直刺または斜刺で0.2〜0.5寸(約5〜15mm)。
- 推奨針サイズ:直径0.14〜0.18mm、長さ15〜30mm。
- 保持時間:10〜15分、虚実に応じて瀉法または補法を用いる。
- 灸法:温灸で補益、透熱灸は熱症状がある場合は避ける。
禁忌・注意
- 清熱・利水の性質があるため、寒証・虚証には慎重に使用。
- 妊娠中は下肢末端の強刺激を避ける。
- 炎症部や外傷のある場合は刺鍼しない。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 束骨(BL65)は「兪木穴」として、膀胱経の過剰な気を鎮める重要な経穴です。頭痛・目赤といった上部の実熱症状、腰背部や下肢の痛み、精神不安や不眠、さらに尿路症状まで幅広く応用されます。
- 頭痛・目赤には、太衝(LR3)、風池(GB20)との併用で鎮静作用を発揮します。
- 腰痛・下肢痛には、崑崙(BL60)、承山(BL57)と組み合わせて下肢の経絡疏通を強化します。
- 精神不安や不眠には、神門(HT7)、内関(PC6)と組んで安神作用を補強します。
- 尿路障害には、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6)と合わせて利水通淋を高めます。
- このように臨床では清熱・鎮痛・安神・利水の性質を活かした応用がカギとなります。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿