支正まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:支正(しせい)
  • 経穴:手の太陽小腸経(SI7)、絡穴
  • 英名:Zhizheng (SI7)


取穴(位置・取り方)

  • 前腕後尺側、陽谷(SI5)小海(SI8)を結ぶ線上の陽谷から上方5寸に取る。
  • 前腕背側で尺骨の際を目安に触れると位置をとりやすい。
  • 小腸経の絡穴で、心包経と連絡する。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋:尺側手根伸筋、総指伸筋。
  • 骨:尺骨背側縁。
  • 神経・血管:尺骨神経背側枝、後骨間動脈枝が近接。


東洋医学的機能(要点)

  • 清熱安神:心の熱を清め、不安・精神的な不調に用いる。
  • 通絡止痛:腕や肩の疼痛、経絡走行に沿った痛みに効果。
  • 絡穴作用:心包経とのつながりを利用し、胸部症状や情緒症状に応用。
  • 疏風利咽:咽喉痛や発熱時の症状にも使われる。


臨床応用

  • 前腕から肩にかけての疼痛やしびれには、支正(SI7)を肩髃(LI15)、肩井(GB21)と併用し、経絡の気血を通じさせます。
  • 不安感や情緒不安定には、支正(SI7)を神門(HT7)内関(PC6)と組み合わせて精神安定を図ります。
  • 咽喉の腫れや咽痛には、支正(SI7)を合谷(LI4)、廉泉(CV23)と組み合わせ、清熱利咽の効果を高めます。
  • 発熱や風邪症状には、支正(SI7)を風池(GB20)大椎(GV14)と併用して解表作用を強めます。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方法:直刺または斜刺で0.5〜1寸(約15〜25mm)。
  • 推奨針サイズ:直径0.16〜0.20mm、長さ30〜40mm。
  • 保持時間:10〜15分。精神症状には軽刺激、疼痛にはやや深めの刺激。
  • 灸法:温灸を併用すると慢性肩痛や虚弱に有効。


禁忌・注意

  • 深刺による神経刺激に注意する。
  • 炎症部位や急性の外傷には使用を避ける。
  • 精神症状で使う場合は軽刺激で施術し、過度の刺激は控える。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 支正(SI7)は絡穴として心包経とつながりを持つため、精神的な不安や胸の症状に強く作用します。また小腸経の経過上の痛みにも有効です。
  • 腕や肩の痛みには、肩髃(LI15)、肩井(GB21)を組み合わせ、上肢の経絡を通じさせます。
  • 精神不安や不眠には、神門(HT7)内関(PC6)を併用し、心を安定させます。
  • 咽頭炎や喉の腫れには、合谷(LI4)、廉泉(CV23)を組み合わせ、清熱利咽の効果を高めます。
  • 風邪や発熱には、風池(GB20)大椎(GV14)を合わせて解表作用を補います。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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