養老まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:養老(ようろう)
  • 経穴:手の太陽小腸経(SI6)、郄穴
  • 英名:Yanglao (SI6)


取穴(位置・取り方)

  • 前腕後尺側、尺骨茎状突起の近位で、尺側手根伸筋腱の橈側陥凹部に取る。
  • 手掌を胸に当てるようにして手首を軽く背屈すると陥凹が明瞭になる。
  • 小腸経の郄穴で、急性症状や疼痛に特に有効。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋:尺側手根伸筋腱の橈側。
  • 骨:尺骨茎状突起近位。
  • 神経・血管:尺骨神経背側枝、後骨間動脈枝が近接。


東洋医学的機能(要点)

  • 清熱明目:目の充血や視力低下に用いる。
  • 通絡止痛:肩背部・腕の疼痛、急性の経絡痛に有効。
  • 郄穴作用:急性疾患、特に小腸経関連の急性疼痛に適応。
  • 老化に伴う症状改善:「養老」の名の通り、目の衰えや体力低下に用いられる。


臨床応用

  • 肩や上肢の急性の疼痛には、養老(SI6)を肩髃(LI15)、肩井(GB21)と組み合わせ、気血の流れを促進して疼痛を緩和します。
  • 眼精疲労や視力低下には、養老(SI6)を攅竹(BL2)、睛明(BL1)、光明(GB37)と併用して明目作用を高めます。
  • 高齢者の腰背部痛や身体のだるさには、養老(SI6)を腎兪(BL23)、命門(GV4)と組み合わせ、腎気を補って体力を支えます。
  • 耳鳴りや難聴には、養老(SI6)を聴宮(SI19)、翳風(TE17)と合わせ、小腸経と耳の関連を整えます。



刺鍼法(安全重視)

  • 刺入方法:直刺または斜刺で0.3〜0.5寸(約10〜15mm)。
  • 推奨針サイズ:直径0.16〜0.20mm、長さ15〜30mm。
  • 灸法:温灸や知熱灸を加えると老化に伴う眼症状や慢性の背腰痛に有効。
  • 注意点:血管・神経が近いため、強刺激は避ける。


禁忌・注意

  • 急性炎症や腫脹部位では灸を避ける。
  • 骨際への過剰刺激は疼痛を引き起こすことがある。
  • 高齢者や体力の低下している方には軽刺激で施術する。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

  • 養老(SI6)は小腸経の郄穴で、急性の疼痛や経絡症状に迅速な効果を示します。特に肩背部痛や眼症状、高齢者の体力低下に幅広く応用されます。
  • 肩や上肢の急性痛には肩髃(LI15)、肩井(GB21)を組み合わせ、局所の気血流通を高めます。
  • 眼精疲労や視力低下では攅竹(BL2)、光明(GB37)を合わせ、視覚機能を改善します。
  • 腰背部のだるさや高齢者の虚弱体質には腎兪(BL23)、命門(GV4)を加え、腎気を補います。
  • 耳鳴りや難聴には聴宮(SI19)、翳風(TE17)と組み合わせ、耳の気血を整えます。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

0 件のコメント:

コメントを投稿