名称
- 和名:膝関(しつかん)
- 経穴:足の厥陰肝経(LR7)
- 英名:Xiguan (LR7)
取穴(位置・取り方)
- 下腿内側、脛骨内側顆の下方、陰陵泉(SP9)の後下方1寸に取る。
- 膝関節の内側にある大きな骨(脛骨内側顆)の下縁を触れ、そこから1寸ほど下に定位する。
- 膝の屈伸に伴い陥凹が現れるため、触診で位置を確認しやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:縫工筋、薄筋、半腱様筋の停止腱付近。
- 神経:伏在神経。
- 血管:下膝動脈分枝。
東洋医学的作用(要点)
- 疏肝理気:肝経の気血を通じさせ、滞りを除く。
- 利湿通絡:膝関節周囲の湿滞や重だるさを改善を図る。
- 清熱作用:下肢の熱感や腫れを和らげるとされる。
主な適応
- 膝関節痛、関節炎、変形性膝関節症。
- 下肢のしびれ、倦怠感、痺証。
- 下肢の浮腫、冷えやだるさ。
- 月経不調や下腹部痛の補助治療。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺またはやや斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸。
- 灸法:温灸・知熱灸が慢性膝関節痛や冷えに有効。
- 注意点:血管や神経が近いため、強い刺激は避ける。特に高齢者や関節変形例では浅刺を基本とする。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 膝関(LR7)は比較的使用頻度は高くないが、膝関節痛や下肢の湿滞症状に対して有用な経穴です。
- 膝痛・変形性膝関節症:膝関(LR7)+陰陵泉(SP9)+犢鼻(ST35)+内膝眼(EX-LE4)。
- 下肢の痺れ・重だるさ:膝関(LR7)+足三里(ST36)+陽陵泉(GB34)。
- 婦人科症状(下腹部痛・月経不調):膝関(LR7)+太衝(LR3)+三陰交(SP6)。
- 局所治療とともに、肝経を通じて下肢全体の気血の流れを改善する補助的な役割を果たします。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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