名称
- 和名:陰包(いんぽう)
- 経穴:足の厥陰肝経(LR9)
- 英名:Yinbao (LR9)
取穴(位置・取り方)
- 大腿内側、膝蓋骨底の上方4寸、縫工筋と薄筋の間に取る。
- 股関節を軽く屈曲させ、大腿内側を触診すると、縫工筋と薄筋の間に陥凹があり、そこに定位する。
- 大腿内側のやや上部で、股関節から膝までの中央付近にある。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:縫工筋と薄筋の間、深層には長内転筋。
- 神経:伏在神経の枝。
- 血管:大腿動・静脈の分枝。
東洋医学的作用(要点)
- 疏肝理気:肝経の経絡の通りをよくし、気の滞りを解消する。
- 調経止痛:婦人科系の痛みや不調を和らげる。
- 強筋活絡:下肢の筋肉・関節のこわばりやしびれを改善する。
主な適応
- 月経不順、月経痛、帯下。
- 下腹部痛、鼠径部痛。
- 大腿内側の筋肉痛、麻痺、痺れ。
- 下肢の筋肉のひきつりや重だるさ。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸。
- 灸法:知熱灸・温灸が適応。
- 注意点:大腿動脈や伏在神経が近くに走行するため、深刺や過度な刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 陰包(LR9)は婦人科疾患や大腿内側の筋肉・神経症状に応用される経穴です。
- 月経痛・婦人科疾患:陰包(LR9)+太衝(LR3)+三陰交(SP6)。
- 鼠径部・下腹部痛:陰包(LR9)+気衝(ST30)+中極(CV3)。
- 下肢の痺れ・筋肉痛:陰包(LR9)+足三里(ST36)+陰陵泉(SP9)。
- 特に婦人科系疾患において、肝経の気血調整を行う重要なツボの一つとされています。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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