名称
- 和名:足五里(あしごり)
- 経穴:足の厥陰肝経(LR10)
- 英名:Zuwuli (LR10)
取穴(位置・取り方)
- 大腿内側、鼠径溝の下方5寸、大腿動脈の内側に取る。
- 股関節の前内側から大腿内側にかけて、股下のやや中央部にある。
- 陰包(LR9)の上方で、鼠径部に近い位置。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:縫工筋の内側、長内転筋および恥骨筋の近く。
- 神経:伏在神経の枝。
- 血管:大腿動・静脈の内側。
東洋医学的作用(要点)
- 疏肝理気:肝経の気を通し、下腹部の滞りを解消する。
- 調経安胎:婦人科系疾患の調整や安胎作用を持つとされる。
- 強筋活絡:下肢の筋肉・関節のこわばりやしびれを改善する。
主な適応
- 月経不順、月経痛、帯下、不妊症。
- 陰部痛、下腹部の張りや冷え。
- 鼠径部痛、大腿内側のしびれ・筋肉痛。
- 泌尿器系疾患(排尿困難、頻尿など)。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深さ:0.5〜1寸。
- 灸法:知熱灸・温灸が適応。
- 注意点:大腿動脈・静脈が近接して走行するため、刺鍼方向・深度に注意が必要。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 足五里(LR10)は、婦人科・泌尿器科疾患に用いられるほか、大腿内側や鼠径部の痛み・しびれにも応用される重要なツボです。
- 婦人科系の調整:足五里(LR10)+太衝(LR3)+三陰交(SP6)。
- 不妊・安胎の補助:足五里(LR10)+関元(CV4)+太谿(KI3)。
- 鼠径部・下腹部痛:足五里(LR10)+気衝(ST30)+陰包(LR9)。
- 肝経の要穴と併用することで、生殖機能や下腹部の循環改善に効果が高まるとされています。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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