曲沢まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:曲沢(きょくたく)
  • 経穴:手の厥陰心包経(PC3)
  • 英名:Quze (PC3)


取穴(位置・取り方)

  • 肘窩横紋上、上腕二頭筋腱の尺側の陥凹部に取る。
  • 肘を軽く屈曲すると腱が明確になり、腱の内側(小指寄り)に位置する。
  • 心包経の合穴(水穴)にあたり、清熱・鎮痙の効能で知られる。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋肉:上腕二頭筋腱の尺側、円回内筋の起始部付近。
  • 血管:尺側側副動脈、橈側皮静脈。
  • 神経:正中神経が近接するため、深刺に注意。


東洋医学的機能(要点)

  • 清心瀉火:心火・心包の熱を鎮める。
  • 鎮痙作用:痙攣、癲癇、熱性痙攣に応用。
  • 涼血作用:吐血、鼻出血、皮下出血など血熱による症状に有効。
  • 鎮痛・安神:心胸部痛、不安、不眠に応用。


臨床応用(例)

  • 循環器疾患:心痛、動悸、高血圧。
  • 精神神経系:不安、不眠、癲癇、熱性痙攣。
  • 血熱症状:吐血、喀血、鼻出血。
  • 上肢痛:肘関節炎、前腕痛。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.20~0.25mm、長さ30~40mm。
  • 刺入方向と深さ:
    • 直刺 0.5~1寸(約15~25mm)
    • 深刺は正中神経や血管損傷のリスクがあるため慎重に行う。
  • 保持時間:10~15分。
  • 灸法:冷えを伴う心胸部痛や慢性関節痛に応用可能。


禁忌・注意

  • 正中神経が近いため深刺での強刺激は避ける。
  • 動脈走行部に注意し、拍動部を避ける。
  • 出血傾向や抗凝固薬使用中の患者には慎重に施術。


臨床のコツ・コンビネーション

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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