名称
- 和名:復溜(ふくりゅう)
- 経穴:足の少陰腎経(KI7)
- 英名:Fuliu (KI7)
取穴(位置・取り方)
- 内果の後縁から上方2寸、アキレス腱の前方に取る。
- 太渓(KI3)からアキレス腱に沿って上方にたどると見つけやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:後脛骨筋、長母趾屈筋。
- 神経:脛骨神経の枝。
- 血管:後脛骨動脈。
東洋医学的機能(要点)
- 腎気を補益:腎虚による諸症に広く用いられる。
- 水道を通調:浮腫、小便不利、発汗異常に有効。
- 固表止汗:自汗・盗汗の調整に重要。
臨床応用
- 自汗・盗汗には、復溜(KI7)を太渓(KI3)、三陰交(SP6)と併用し、腎陰を補って汗を調整する。
- 浮腫や小便不利には、復溜(KI7)を腎兪(BL23)、三焦兪(BL22)と合わせて水分代謝を促進する。
- 腰膝のだるさには、復溜(KI7)を太渓(KI3)、委中(BL40)と組み合わせて腎気を補益する。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺。
- 古典的記載:0.5〜1.0寸の刺入が示されている。
- 灸法:特に自汗・盗汗、冷えを伴う浮腫には灸が推奨されていた。
※これは古典文献に記された記載であり、実際の施術は必ず有資格者の指導のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 後脛骨動脈に近接するため、深刺には注意が必要。
- 体力が極度に低下した患者では慎重に用いる。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 復溜(KI7)は腎経の経金穴であり、発汗異常の調整に特化している。
- 自汗・盗汗には、太渓(KI3)とペアで使うと効果的。
- 水分代謝異常(浮腫、小便不利)には、腎兪(BL23)や三焦兪(BL22)と組み合わせる。
- 腰膝酸軟(腰や膝のだるさ)には、委中(BL40)や太渓(KI3)との併用がよい。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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