名称
- 和名:然谷(ねんこく)
- 経穴:足の少陰腎経(KI2)
- 英名:Rangu (KI2)
取穴(位置・取り方)
- 足の内側縁、舟状骨粗面の下方の陥凹部に取る。
- 内果(内くるぶし)の下方前縁をたどり、舟状骨の下に触れるとわかりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:母趾外転筋の近く。
- 神経:内側足底神経。
- 血管:内側足底動脈。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱作用:腎経の「滎穴」として、虚熱や内熱を清する。
- 滋陰降火:陰虚火旺による症状(咽喉乾燥、ほてり、盗汗など)に有効。
- 涼血止血:出血や炎症傾向のある症状に応用される。
臨床応用
- 咽喉の腫れや乾燥感には、然谷(KI2)を太渓(KI3)、魚際(LU10)と併用する。
- ほてりや盗汗には、然谷(KI2)を照海(KI6)、三陰交(SP6)と合わせて陰液を補い、火を鎮める。
- 月経不順や不正出血には、然谷(KI2)を血海(SP10)、太衝(LR3)と組み合わせ、血分の熱を調整する。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺または斜刺。
- 古典的記載:0.3〜0.5寸程度の刺入が示されている。
- 灸法:慢性的な虚熱症状やのぼせに応用される。
※上記は古典的な文献に見られる記載であり、実際の施術は必ず有資格者の指導のもとで行ってください。
禁忌・注意
- 皮膚が薄いため、過度な刺激を避ける。
- 熱性の炎症が強い場合は一時的に反応が強く出ることがあるため注意する。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 然谷(KI2)は腎経の滎穴であり、特に陰虚火旺や下焦の熱症状に応用される。
- 咽喉の乾燥・痛みには、魚際(LU10)、太渓(KI3)と合わせて熱を清する。
- 更年期のほてりや盗汗には、三陰交(SP6)、照海(KI6)と組み合わせて陰を補う。
- 婦人科系の熱症状には、血海(SP10)、太衝(LR3)と合わせると血熱の鎮静に有効。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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