名称
- 和名:太白(たいはく)
- 経穴:足の太陰脾経(SP3)、兪土穴・脾の原穴
- 英名:Taibai (SP3)
取穴(位置・取り方)
- 足の内側、第1中足骨の遠位端と近位端の接合部、赤白肉際に取る。
- 母趾の付け根内側、足舟状骨のやや下方にある圧痛点を探すと分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:母趾外転筋・短母趾屈筋の付着部。
- 神経:内側足底神経の枝。
- 血管:足底動脈の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 補脾益気:脾気虚を改善し、食欲不振・倦怠・下痢に有効。
- 化湿作用:湿困脾胃による腹満・浮腫・重だるさを改善。
- 健運作用:脾の運化機能を高め、水湿代謝を調整。
- 安神作用:脾虚による不眠・健忘にも応用。
臨床応用(消化器・代謝・全身倦怠など)
- 消化不良や食欲不振には、太白(SP3)を中脘(CV12)、足三里(ST36)と組み合わせて補脾益気を図ります。
- 下痢・軟便には、太白(SP3)を天枢(ST25)、三陰交(SP6)と組み合わせ、脾胃の運化機能を強めます。
- 倦怠感・四肢の重だるさには、太白(SP3)を脾兪(BL20)、腎兪(BL23)と組み合わせて気血を補い、体力を回復させます。
- 浮腫や水腫には、太白(SP3)を陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6)と組み合わせ、水湿の排泄を促します。
- 不眠や健忘には、太白(SP3)を神門(HT7)、百会(GV20)と組み合わせ、脾気と心神を調整します。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方向と深さ:直刺または斜刺で0.3〜0.5寸(約10〜15 mm)。
- 周囲は筋肉が少ないため、深刺は避ける。
- 灸法:虚証には温灸が有効。慢性の脾虚体質には知熱灸を推奨。
禁忌・注意
- 足底に近いため、感染防止に十分配慮する。
- 糖尿病など末梢循環障害のある場合、灸は慎重に行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 消化器症状では、太白(SP3)を大都(SP2)、中脘(CV12)、足三里(ST36)と組み合わせ、脾胃を総合的に補強します。
- 倦怠感や気虚体質には、太白(SP3)を気海(CV6)、関元(CV4)と組み合わせ、全身の気を補います。
- 浮腫には、太白(SP3)を陰陵泉(SP9)、水分(CV9)と組み合わせ、水湿代謝を改善します。
- 心脾両虚による不眠には、太白(SP3)を神門(HT7)、三陰交(SP6)、百会(GV20)と併用し、気血を補い心神を安定させます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿