名称
- 和名:大都(だいと)
- 経穴:足の太陰脾経(SP2)、滎火穴
- 英名:Dadu (SP2)
取穴(位置・取り方)
- 足の母趾内側、母趾基節骨底の前方、赤白肉際に取る。
- 母趾の付け根、第一中足趾節関節の前内側にある小さな陥凹部を探すと分かりやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:母趾外転筋。
- 神経:内側足底神経の枝。
- 血管:足底動脈の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱作用:脾経の熱を冷まし、消化器の熱症状(口渇・口臭・便秘)に有効。
- 健脾作用:消化不良、下痢、食欲不振を改善。
- 安神作用:心脾両虚に伴う不眠、不安、心悸に。
- 止痛作用:脾経経絡上の痛み、特に胃脘部・腹部の痛みに利用。
臨床応用(消化器疾患・代謝異常・精神症状など)
- 消化不良や食欲不振には、大都(SP2)を足三里(ST36)、中脘(CV12)と組み合わせて健脾・和胃を図ります。
- 下痢や軟便には、大都(SP2)を天枢(ST25)、三陰交(SP6)と組み合わせ、脾胃の調整を行います。
- 便秘や口渇・口臭には、大都(SP2)を合谷(LI4)、豊隆(ST40)と組み合わせて清熱・通便を促します。
- 糖尿病や代謝異常に伴う多飲・多食・多尿には、大都(SP2)を太白(SP3)、三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)と併用し、脾を補い水湿代謝を調整します。
- 心悸・不眠には、大都(SP2)を神門(HT7)、内関(PC6)と組み合わせ、心脾を同時に調整します。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方向と深さ:直刺またはやや斜刺で0.2〜0.3寸(3〜5 mm程度)。
- 神経や血管が浅く走るため、過度な深刺は避ける。
- 灸法:冷えや虚証による下痢・食欲不振には温灸が有効。
禁忌・注意
- 母趾関節部は皮膚が薄く、灸痕や熱傷に注意。
- 糖尿病や末梢循環障害のある場合は、灸刺激は控えめに。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 消化器系の不調では、大都(SP2)を足三里(ST36)、中脘(CV12)と組み合わせ、健脾・和胃の基本配穴とします。
- 下痢や腹痛には、大都(SP2)を天枢(ST25)、三陰交(SP6)と組み合わせ、脾胃の虚実を調整します。
- 便秘には、大都(SP2)を豊隆(ST40)、合谷(LI4)と組み合わせ、清熱・理気の作用を強めます。
- 代謝異常や糖尿病傾向には、大都(SP2)を太白(SP3)、陰陵泉(SP9)、三陰交(SP6)と組み合わせ、水湿代謝と脾気を調整します。
- 不眠や心悸には、大都(SP2)を神門(HT7)、内関(PC6)、百会(GV20)と併用し、安神・安眠の効果を高めます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿