臨床テーマまとめ（便秘）

テーマ

• 便秘（弛緩性便秘、痙攣性便秘、習慣性便秘など）
• 対象：高齢者、女性（特に産後・更年期）、ストレス性便秘、生活習慣による便秘
• 主な使用経穴： 天枢（ST25）、 足三里（ST36）、 三陰交（SP6）、 合谷（LI4）、 大腸兪（BL25）

取穴（位置の確認）

• 天枢（ST25）：臍中央の外方2寸。
• 足三里（ST36）：膝蓋骨外側下縁から下方3寸、脛骨前縁の外方1横指。
• 三陰交（SP6）：内果の最突出部から上方に3寸、脛骨内縁の後方陥凹部。
• 合谷（LI4）：手背、第1・第2中手骨の間、中点のやや橈側。
• 大腸兪（BL25）：第4腰椎棘突起下縁の外方1.5寸。

施術法（鍼灸の使い分け）

• 鍼： 天枢（ST25）、 大腸兪（BL25）は腸蠕動を促すために軽度の瀉法。 足三里（ST36）、 三陰交（SP6）は補法で気血を整える。
• 灸： 虚証・冷えを伴う便秘では、 天枢（ST25）、 足三里（ST36）、 三陰交（SP6）に温灸を行う。
• 頻度：急性の便秘には連日〜隔日、慢性では週2回を目安に継続。

臨床応用と効果

• 弛緩性便秘： 天枢（ST25）＋大腸兪（BL25）で腸蠕動を促進。
• 痙攣性便秘： 合谷（LI4）＋ 三陰交（SP6）で緊張を緩和。
• 虚証の便秘： 足三里（ST36）＋ 三陰交（SP6）で気血を補う。
• 習慣性便秘： 天枢（ST25）を基点に、 足三里（ST36）・ 大腸兪（BL25）を組み合わせる。

禁忌・注意

• 急性腹症（腸閉塞、虫垂炎など）の疑いがある場合は施術を避ける。
• 妊婦では下腹部の強刺激を控える。
• 高齢者や虚証者には強い瀉法を避ける。

臨床のコツ・コンビネーション

• 天枢（ST25）＋大腸兪（BL25）：大腸の働きを直接高める基本配穴。
• 足三里（ST36）＋三陰交（SP6）：虚弱体質や慢性便秘に有効。
• 合谷（LI4）＋天枢（ST25）：ストレス性・痙攣性便秘の緩和。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。