名称
- 和名:四縫(しほう)
- 経穴分類:奇穴
- 別名:四縫穴、四隅穴
- 由来:小児の消化不良や疳疾に用いられ、四指の掌面に位置することから「四縫」と名づけられた。
取穴(位置・取り方)
- 示指・中指・環指・小指の掌側、近位指節間関節(PIP関節)の屈側横紋中央に取る。左右計8穴。
- 小児への応用が多いため、伝統的に「小児特効穴」とも称される。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 屈筋腱鞘が近接。
- 神経:指神経掌側枝。
- 血管:掌側指動静脈。
東洋医学的機能
- 健脾和胃:小児の脾胃虚弱に働き、消化を助けるとされる。
- 消食導滞:乳食積滞による不調に応用。
- 清熱解毒:疳積による発熱や口臭に利用されることがある。
古典的応用例
- 『小児按摩経』:小児の疳積、乳食不消に刺絡し、食欲を増すと記す。
- 『鍼灸大成』:小児の消化不良、下痢、口臭に対して有効とされる。
- 『奇穴図考』:多食・痩せ・発熱を伴う小児の積疾に用いる。
刺鍼法(参考・古典的記載)
- 刺絡:基本は刺絡。指関節掌側中央を軽く刺して数滴の血を瀉す。
- 鍼を深く刺入することはなく、灸法も一般的ではない。
※教育・研究目的の古典的記載です。実際の施術は必ず有資格者の指導を受けてください。
禁忌・注意
- 刺絡部位は感染しやすいため、清潔操作が必須。
- 出血傾向のある患者や極度に体力の低下した小児には避ける。
- 古典でも「常用ではなく急用」として記される。
臨床のコツ・組み合わせ
- 小児疳積・消化不良:四縫を基本とし、中脘(CV12)、足三里(ST36)を併用して脾胃を調える。
- 小児下痢:天枢(ST25)などとあわせて消化機能を補う。
- 疳症による発熱・口臭:少商(LU11)、魚際(LU10)など清熱穴と併用。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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