名称
- 和名:承筋(しょうきん)
- 経穴:足の太陽膀胱経(BL56)
- 英名:Chengjin (BL56)
- 意味:「承」は支える、「筋」は筋肉を指す。ふくらはぎの腓腹筋を支える位置にあることに由来。
取穴(位置・取り方)
- 下腿後面、承山(BL57)の上方5寸、大腿二頭筋と半腱様筋・半膜様筋の合流腱の間に取る。
- 腓腹筋の筋腹中央に相当し、押圧で圧痛点を確認すると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:腓腹筋の筋腹。
- 神経:脛骨神経、腓腹神経。
- 血管:後脛骨動脈の枝、小伏在静脈。
東洋医学的機能(古典的記載)
- 舒筋止痛:筋の緊張を緩和し、痙攣や疼痛を和らげる。
- 通経活絡:下肢の経脈を通じさせ、循環を改善する。
- 和血利腰腿:腰・腿の気血を整えるとされる。
古典的応用例
- 『鍼灸甲乙経』:下肢の痺れ、攣急、脚気に用いると記載。
- 『銅人腧穴鍼灸図経』:腰痛、脚気、下肢不遂に応用するとされる。
- 『鍼灸大成』:腰背の強張り、下肢筋痙攣に効果があるとされる。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方向:直刺またはやや内側に向けて刺す。
- 刺入深度:1.0〜1.5寸程度。
- 灸法:冷えや脚気には温灸が行われることがある。
※古典的記載を教育・研究目的でまとめています。実際の施術は必ず有資格者が行ってください。
禁忌・注意
- 腓腹筋が強く発達している場合は深刺に注意し、過剰な刺激は避ける。
- 小伏在静脈が近くを走行するため、刺鍼時に血管損傷に注意する。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 下肢の痙攣・こむら返り:承山(BL57)、崑崙(BL60)と組み合わせ、腓腹筋の痙攣を鎮める。
- 腰痛・坐骨神経痛:腎兪(BL23)、殷門(BL37)、委中(BL40)と配穴し、腰から下肢への痛みを和らげる。
- 脚気・下肢麻痺:足三里(ST36)、陽陵泉(GB34)、懸鐘(GB39)と組み合わせて筋力回復を図る。
- 下肢の循環不良・冷え:三陰交(SP6)、太谿(KI3)と配して温経通絡を図る。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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