名称
- 和名:霊墟(れいきょ)
- 経穴:足の少陰腎経(KI24)
- 英名:Lingxu (KI24)
取穴(位置・取り方)
- 胸部、第3肋間、前正中線(CVライン)の外方2寸に取る。
- 乳頭のやや上方の高さで、前正中線から外方2寸の肋間の陥凹部にある。
- 呼吸に伴って肋間の動きを確認し、陥凹を探ると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:大胸筋、小胸筋、肋間筋。
- 神経:肋間神経の前皮枝。
- 血管:肋間動脈・静脈。
- 深部:胸膜腔(肺に近接)。
東洋医学的作用(要点)
- 寛胸理気:胸中の気滞をめぐらせ、胸痛・胸満を改善する。
- 宣肺化痰:肺気の滞りを除き、咳嗽・喘息・痰多に対応する。
- 和胃降逆:胃気の逆流を抑え、嘔吐・しゃっくりを鎮める。
- 安神:心悸、不眠、不安など精神症状にも応用される。
主な適応
- 咳嗽、喘息、痰の停滞。
- 胸部圧迫感、胸痛。
- 悪心、嘔吐、しゃっくり。
- 心悸、不眠、不安感。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:外方またはやや下方へ斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜0.8寸(約10〜20mm)。
- 灸法:知熱灸・温灸を行うと、慢性呼吸器症状や虚弱体質に有効。
- 注意点:直刺・深刺は胸膜や肺を損傷する恐れがあるため禁忌。必ず斜刺で行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 霊墟(KI24)は腎経胸部穴の一つで、呼吸器症状や胸部の不快感に多く用いられます。
- 呼吸器疾患では、膻中(CV17)、太淵(LU9)、肺兪(BL13)と組み合わせ、咳嗽・喘息の改善を図る。
- 胸痛・胸満には、巨闕(CV14)、期門(LR14)との併用で理気・化痰を強化。
- 消化器症状(嘔吐・しゃっくり)には、中脘(CV12)、内関(PC6)、足三里(ST36)と併用。
- 精神面では、神門(HT7)、内関(PC6)、百会(GV20)と組み合わせることで、不眠や不安に有効とされる。
- 腎経胸部の穴(KI22〜KI27)を連続して用いると、胸中の気機を総合的に整える効果が期待でき、慢性呼吸器疾患や心身症的症状に幅広く応用されます。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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