名称
- 和名:神封(しんぽう)
- 経穴:足の少陰腎経(KI23)
- 英名:Shenfeng (KI23)
取穴(位置・取り方)
- 胸部、第4肋間、前正中線(CVライン)の外方2寸に取る。
- 乳頭の高さで、やや内方に位置する。
- 第4肋間の陥凹を触れ、前正中線から外方2寸で確認する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:大胸筋、小胸筋、肋間筋。
- 神経:肋間神経の前皮枝。
- 血管:肋間動脈・静脈。
- 深部:胸膜腔(肺尖部に近接)。
東洋医学的作用(要点)
- 寛胸理気:胸中の気を巡らせ、胸満・胸痛を和らげる。
- 宣肺化痰:咳嗽・喘息・痰の多い症状に応用。
- 和胃降逆:胃気の上逆を抑え、嘔吐やしゃっくりに適する。
- 安神作用:心悸や不安感に応用されることもある。
主な適応
- 咳嗽、喘息、痰の停滞。
- 胸部圧迫感、胸痛。
- 悪心、嘔吐、しゃっくり。
- 心悸、不眠、不安感。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:外側斜刺またはやや下方へ斜刺。
- 刺入深さ:0.5〜0.8寸(約10〜20mm)。
- 灸法:知熱灸・温灸が適する。冷えや慢性呼吸器疾患に用いやすい。
- 注意点:直刺・深刺は禁忌。胸膜・肺を損傷する危険があるため、必ず斜刺で行う。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 神封(KI23)は腎経胸部穴の一つで、歩廊(KI22)と同様に胸満や呼吸器症状に多く用いられます。
- 呼吸器疾患では、膻中(CV17)、太淵(LU9)、肺兪(BL13)と併用し、咳嗽・喘息に応用。
- 胸のつかえや胸痛には、巨闕(CV14)、期門(LR14)と組み合わせて理気・寛胸を図る。
- 悪心・嘔吐には、中脘(CV12)、内関(PC6)、足三里(ST36)との併用が有効。
- 心悸や不眠がある場合は、神門(HT7)、内関(PC6)、膻中(CV17)と合わせると精神安定作用を補える。
- 腎経胸部穴(KI22〜KI27)は連続して取穴すると効果が相乗し、胸中の気機を広く調整できるのが特徴です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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