名称
- 和名:陷谷(かんこく)
- 経穴:足の陽明胃経(ST43)、兪穴
- 英名:Xiangu (ST43)
取穴(位置・取り方)
- 足背、第2・第3中足骨間、中足骨底後縁の間に取る。
- 第2・第3中足骨の間をたどり、足背動脈よりやや外方の陥凹部。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:第2・第3背側骨間筋。
- 神経・血管:足背動脈の枝、浅腓骨神経の枝。
東洋医学的機能(要点)
- 清熱調中:胃腸の熱を清し、腸胃の不調を整える。
- 利関節:手足の関節痛や浮腫に用いられる。
- 安神:精神不安や不眠に応用することもある。
臨床応用(消化器・関節疾患など)
- 胃腸障害には、陷谷(ST43)を足三里(ST36)、内庭(ST44)と組み合わせ、腹満、下痢、便秘に応用します。
- 浮腫や関節痛には、陷谷(ST43)を三陰交(SP6)、太谿(KI3)と組み合わせ、下肢の水分代謝と関節機能を改善します。
- 頭痛や目の充血には、陷谷(ST43)を合谷(LI4)、太衝(LR3)と組み合わせ、気血の循環を促し清熱します。
- 不眠や精神不安には、陷谷(ST43)を神門(HT7)、内関(PC6)と組み合わせ、安神作用を高めます。
刺鍼法(安全重視)
- 刺入方向と深さ:直刺0.3〜0.5寸(約5〜10mm)。
- 補瀉の使い分け:熱証には瀉法、虚証や浮腫には補法を用いる。
- 灸法:冷えを伴う消化器虚弱や関節痛には温灸が有効。
禁忌・注意
- 深刺は動脈や神経への刺激を避けるため注意。
- 妊娠初期には下肢経穴の強刺激は避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 消化器系の不調には、陷谷(ST43)を足三里(ST36)、天枢(ST25)と組み合わせて腸胃を整えます。
- 浮腫や下肢関節痛には、陷谷(ST43)を三陰交(SP6)、陰陵泉(SP9)と組み合わせて水分代謝を促進します。
- 頭痛や目の充血には、陷谷(ST43)を太衝(LR3)、合谷(LI4)と併用して清熱・疏風します。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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