名称
- 和名:扶突(ふとつ)
- 経穴:足の陽明胃経(ST10)
- 英名:Futu (ST10)
取穴(位置・取り方)
- 頸部、喉頭隆起の外方、胸鎖乳突筋の前縁上に取る。
- 人迎(ST9)よりやや下方に位置する。
- 頸動脈の拍動部を避けて取穴する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織、広頸筋。
- 筋肉:胸鎖乳突筋。
- 神経:頸神経叢の枝、副神経。
- 血管:総頸動脈、頸静脈。
- その他:頸動脈鞘に近接。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 利咽開音:咽喉の腫痛や発声困難に応用された。
- 降気止咳:呼吸器の不調や咳嗽を調える目的で用いられた。
- 通絡止痛:頸部経絡の流れを整え、腫痛を和らげると記されている。
古典的応用例
- 咽喉疾患:咽喉腫痛、声のかすれ。
- 呼吸器症状:咳嗽、喘息。
- 頸部のこわばり:頸部の腫脹や硬直感。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:0.3〜0.5寸、平刺または斜刺。
- 古典的記載:咳嗽や咽喉疾患に応用されたとされる。
- 灸法:隔物灸などが用いられた記録がある。
※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。総頸動脈・頸静脈が近接するため、刺鍼は必ず国家資格を持つ専門家のもとで行ってください。
禁忌・注意(参考)
- 総頸動脈・頸静脈の直上にあるため、深刺は危険。
- 気胸や失神のリスクを避けるため、刺入方向と深さに十分配慮が必要。
- 強刺激は避ける。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 咽喉疾患:人迎(ST9)、廉泉(CV23)とあわせて用いられることがあった。
- 呼吸器症状:列缺(LU7)、豊隆(ST40)と組み合わせて気機の流れを調整する目的で用いられた。
- 頸部緊張:風池(GB20)と併用し、頸肩部のこわばりに応じた。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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