名称
- 和名:上廉(じょうれん)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI9)
- 英名:Shanglian (LI9)
取穴(位置・取り方)
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:長橈側手根伸筋、指伸筋、短橈側手根伸筋。
- 神経・血管:橈神経浅枝、橈側皮静脈が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 調腸和胃:大腸経に属するため、便秘や下痢などの腸疾患に応用される。
- 通経止痛:経絡の通りを良くし、肘や前腕の痛みを緩和する。
- 調気作用:胃腸の不調や疲労感に対して気を整える作用を持つとされる。
臨床応用(消化器・四肢疾患など)
- 消化器疾患:便秘、下痢、腸鳴、消化不良。
- 胃腸虚弱:食欲不振、胃のもたれ感。
- 四肢疾患:前腕や肘の痛み、麻痺、しびれ。
- 全身のだるさ:気虚・気滞による倦怠感の補助穴として用いられる。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺で0.5–1寸(約10–20mm)程度。
- 橈骨に沿う筋間を意識して刺入。
- 保持時間:10–15分。
- 灸法:慢性の消化器症状や虚弱体質には温灸を併用することもある。
禁忌・注意
- 橈神経浅枝に近いため、強刺激での電撃痛に注意。
- 浅めで安定した刺鍼を心がける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 便秘:上廉(LI9)+合谷(LI4)+天枢(ST25)。
- 下痢:上廉(LI9)+足三里(ST36)+下巨虚(ST37)。
- 肘・前腕痛:上廉(LI9)+手三里(LI10)+曲池(LI11)。
- 胃腸虚弱:上廉(LI9)+中脘(CV12)+三陰交(SP6)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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