名称
- 和名:肘髎(ちゅうりょう)
- 経穴:手の陽明大腸経(LI12)
- 英名:Zhouliao (LI12)
取穴(位置・取り方)
- 肘外側、上腕骨外上顆の上方、曲池(LI11)の上方1寸に取る。
- 肘を屈曲し、外側上顆と曲池の位置を確認すると取りやすい。
- 前腕伸展筋群の付着部に位置し、肘周囲の圧痛点としても触知されやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・総指伸筋の起始部。
- 神経・血管:橈神経深枝、橈側側副動脈が近接。
東洋医学的機能(要点)
- 通絡止痛:肘や前腕の痛み、麻痺、拘縮に有効。
- 清熱作用:局所の熱感や炎症、関節腫脹を鎮める。
- 経気疏通:大腸経の流れを整え、上肢の運動障害に応用。
臨床応用(運動器・神経疾患など)
- 肘関節疾患:テニス肘(外側上顆炎)、肘の腫脹・疼痛。
- 上肢の麻痺:脳卒中後の上肢運動障害、しびれ。
- 神経症状:橈骨神経領域の疼痛や麻痺。
- 炎症性疾患:肘関節周囲の発赤・熱感を伴う状態。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.18–0.25mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺またはやや橈側に向けて0.5–1寸(約10–20mm)。
- 橈骨神経や血管を避け、強刺激は控える。
- 保持時間:10–15分程度。局所の痛みに対しては雀啄も応用される。
- 灸法:冷えを伴う肘関節痛に温灸が有効。
禁忌・注意
- 橈神経深枝への過剰刺激に注意。しびれ・放散痛があれば即抜鍼。
- 関節炎の急性期や熱感が強い場合は灸を避ける。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- テニス肘(外側上顆炎):肘髎(LI12)+曲池(LI11)+手三里(LI10)。
- 上肢麻痺:肘髎(LI12)+合谷(LI4)+肩髃(LI15)。
- 肘関節腫脹:肘髎(LI12)+天井(TE10)+尺沢(LU5)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿