名称
- 和名:魚際(ぎょさい) ※奇穴
- 部位:膝関節部
- 所属:奇穴(経絡本系に属さない)
- 由来:膝蓋骨上方の形が魚腹のようにふくらむ部位に取穴することから「魚際」と呼ばれる。
取穴(位置・取り方)
- 膝を軽く屈曲した状態で、膝蓋骨の上縁中央の陥凹部に取る。
- 膝蓋上包の中、膝蓋上縁を押さえると圧痛や反応点を得られることが多い。
解剖(近接構造)
- 皮膚・皮下組織。
- 大腿四頭筋腱の下方、膝蓋上包に相当。
- 神経:大腿神経筋枝。
- 血管:膝蓋上動脈・静脈網。
東洋医学的機能
- 清熱鎮痛:局所の熱感や腫脹を鎮めるとされる。
- 舒筋利関:筋肉のこわばりを緩和し、膝関節の運動を改善すると伝えられる。
- 消腫散結:水腫や関節腫大に対して応用される。
古典的応用例
- 『鍼灸大成』:膝痛・脚弱に用いると記載。
- 『鍼灸聚英』:膝蓋部の腫脹・水腫・運動障害に応用される。
- 膝蓋上包炎、変形性膝関節症、関節水腫などに対して用いられてきた。
刺鍼法(参考・古典的記載)
- 刺入方向:直刺。
- 刺入深度:0.5〜1.0寸(膝蓋上包内)。
- 灸法:関節冷痛には灸も応用される。
※教育・研究目的の古典的記載です。実際の施術は必ず専門家の指導下で行ってください。
禁忌・注意
- 膝蓋上包に炎症や強い腫脹がある場合は、無理な刺入を避ける。
- 関節液が多量に貯留している時は慎重に扱う。
- 無菌操作を徹底することが重要。
臨床のコツ・組み合わせ
- 膝関節腫脹・疼痛:鶴頂(EX-LE2)、内膝眼(EX-LE4)、犢鼻(ST35)とあわせて用いると効果的とされる。
- 膝蓋上包炎:梁丘(ST34)、犢鼻(ST35)と組み合わせて応用される。
- 慢性膝痛・脚弱:陽陵泉(GB34)、足三里(ST36)とあわせて下肢機能を補助する。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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