名称
- 和名:天池(てんち)
- 経穴:手の厥陰心包経(PC1)
- 英名:Tianchi (PC1)
取穴(位置・取り方)
- 第4肋間、乳頭の外方1寸。
- 乳頭を基準にして、外側へ指1本分ほどの位置に取る。
- 男性は乳頭を目安に取りやすいが、女性では解剖的基準(肋間と距離)で確認することが重要。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:大胸筋、小胸筋、第4肋間筋。
- 神経:肋間神経の前皮枝。
- 血管:肋間動脈・静脈。
- 深部:胸膜腔(肺尖部に近い)。
東洋医学的作用(要点)
- 理気寛胸:胸部の気の停滞を通じ、胸痛・胸悶を解消。
- 寧心安神:心包経の要穴として、心悸、不安、不眠に用いる。
- 化痰止咳:痰の多い咳、気管支炎、喘息を和らげる。
- 通乳:乳房の腫脹や乳汁分泌不全に用いる。
主な適応
- 胸痛、胸悶、動悸、心悸亢進。
- 咳嗽、喘息、痰がからむ咳。
- 不眠、神経症、不安感。
- 乳腺炎、乳汁分泌不全。
刺鍼(実践上の注意)
- 刺入方向:外方・斜刺。
- 刺入深さ:0.3〜0.5寸(約10〜15mm)。
- 注意点:直刺や深刺は胸膜損傷(気胸)の危険があるため厳禁。
- 灸法:温灸を施すと乳汁分泌や冷えを伴う呼吸器症状に有効。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 天池(PC1)は心包経の胸部穴で、胸の鬱滞や心肺の症状に幅広く使われます。
- 胸痛・胸悶:内関(PC6)、膻中(CV17)、巨闕(CV14)と併用すると効果的。
- 咳嗽・喘息:中府(LU1)、膻中(CV17)、肺兪(BL13)との組み合わせ。
- 不眠・不安:神門(HT7)、百会(GV20)、安眠(EX-HN16)と併用すると鎮静効果が高まる。
- 乳腺炎・乳汁分泌不全:乳根(ST18)、膻中(CV17)、少沢(SI1)と合わせて応用。
- 心包経の胸部穴(PC1)は「心・肺・乳房」に関係が深く、局所と全身の調整を兼ねた応用が可能です。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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