名称
- 和名:雲門(うんもん)
- 経穴:手の太陰肺経(LU2)
- 英名:Yunmen (LU2)
取穴(位置・取り方)
- 鎖骨外端の下方、烏口突起の内側、大胸筋鎖骨部と三角筋前縁の間に取る。
- 肩関節を軽く外転させると陥凹が現れやすい。
- 中府(LU1)の外上方に位置し、肺気の出入り口とされる。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織、大胸筋鎖骨部。
- 深層:小胸筋、烏口突起付近。
- 血管:胸肩峰動脈、鎖骨下動静脈の枝。
- 神経:鎖骨上神経、外側胸神経。
東洋医学的機能(要点)
- 宣肺理気:肺気の滞りを解き、胸部の気を巡らせる。
- 止咳平喘:咳嗽・喘息など呼吸器症状に応用される。
- 通絡止痛:肩前面や胸部の痛みに対して用いられる。
臨床応用(呼吸器疾患・胸肩部症状など)
- 呼吸器疾患:雲門(LU2)+中府(LU1)+尺沢(LU5)で咳嗽・喘息に応用。
- 胸のつかえ感:雲門(LU2)+膻中(CV17)で理気を強める。
- 肩前面の痛み・可動域制限:雲門(LU2)+肩髃(LI15)+臑兪(SI10)。
- 慢性気管支炎:雲門(LU2)+肺兪(BL13)+膏肓(BL43)。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.14–0.20mm、長さ25–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 鎖骨下方向へ斜刺0.5–0.8寸(約10–20mm)程度。
- 直刺・深刺は気胸の危険があるため禁忌。
- 保持時間:10–15分程度。慢性症状ではやや長めに置鍼。
- 灸法:慢性咳嗽や冷えを伴う胸部症状に温灸が併用されることもある。
禁忌・注意
- 肺尖部に近いため、直刺・深刺は厳禁。
- やせた体格では特に刺入角度に注意。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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