天府まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:天府(てんぷ)
  • 経穴:手の太陰肺経(LU3)
  • 英名:Tianfu (LU3)


取穴(位置・取り方)

  • 上腕前外側、腋窩横紋前端から肘窩横紋までの間を10寸とし、その上方3寸。
  • 上腕二頭筋の橈側縁、上腕動脈拍動部の外方に取る。
  • 腋窩から肘までを10等分し、腋窩から3/10の位置を探るとわかりやすい。


解剖(近接構造)

  • 表層:皮膚・皮下組織。
  • 筋層:上腕二頭筋の外側縁、烏口腕筋の付近。
  • 神経・血管:上腕動脈、正中神経が近接。刺鍼時は深刺を避ける。


東洋医学的機能(要点)

  • 宣肺作用:咳嗽、喘息などの呼吸器症状に有効。
  • 清熱作用:肺熱を清し、咽喉の腫痛や出血傾向(鼻出血・咳血)に応用。
  • 精神安定:「天」の名の通り、精神を安定させ、不安や鬱状態に用いられる。


臨床応用(呼吸器疾患・精神症状など)

  • 呼吸器疾患:咳嗽、喘息、気管支炎。
  • 咽喉疾患:咽痛、喉の腫脹感。
  • 出血傾向:鼻出血、咳血。
  • 精神疾患:不安、不眠、憂鬱。


刺鍼法(安全重視)

  • 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm。
  • 刺入方向と深さ(初心者向け)
    • 皮膚に対して直刺またはやや斜めに0.5–1寸(約10–20mm)
    • 深刺は動脈や神経を損傷する危険があるため避ける。
  • 保持時間:10–15分程度。呼吸器疾患では軽刺激、不眠・精神症状ではやや長めの置鍼。
  • 灸法:知熱灸や温灸を用い、慢性の咳や冷えを伴う症状に有効。


禁忌・注意

  • 上腕動脈や正中神経が近接するため、深刺や強刺激は禁忌。
  • 刺鍼中にしびれや拍動を感じた場合はすぐに抜鍼。


臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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