名称
- 和名:侠白(きょうはく)
- 経穴:手の太陰肺経(LU4)
- 英名:Xiabai (LU4)
取穴(位置・取り方)
- 上腕前外側、腋窩横紋前端と肘窩横紋を結ぶ線の上で、腋窩横紋前端から4寸下方。
- 上腕二頭筋の橈側縁に取る。
- 天府(LU3)からさらに1寸下方に位置するため、天府を探してから下に指1横指分下げると取りやすい。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋層:上腕二頭筋の外側縁、烏口腕筋に近い。
- 神経・血管:上腕動脈・正中神経が深部を走行。刺鍼はやや外側に留め、深刺を避ける。
東洋医学的機能(要点)
- 宣肺作用:咳嗽、喘息、胸のつかえに効果。
- 理気作用:胸郭・肩背部の気滞を緩め、胸苦しさや胸痛に用いる。
- 精神安定:不安感や気持ちの高ぶりを鎮める補助穴として利用される。
- 局所治療:上腕部痛、肩関節周囲の不快感に応用される。
臨床応用(呼吸器・胸部症状など)
- 呼吸器症状:咳嗽、喘息、慢性気管支炎。
- 胸部疾患:胸の圧迫感、心胸痛、息切れ。
- 精神的症状:不安、抑うつ、ヒステリー傾向。
- 運動器疾患:上腕痛、肩関節痛。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.16–0.25mm、長さ30–40mm。
- 刺入方向と深さ(初心者向け):
- 皮膚に対して直刺または外側へ向けて0.5–1寸(約10–20mm)。
- 深刺により上腕動脈・正中神経を損傷する恐れがあるため注意。
- 保持時間:10–15分程度。
- 灸法:知熱灸や温灸で胸部の冷えを伴う呼吸器症状に有効。
禁忌・注意
- 深刺により動脈・神経を損傷する可能性があるため、必ず外側寄りに刺入。
- しびれ感・電撃痛が出た場合は即抜鍼。
臨床のコツ・刺鍼コンビネーション
- 咳嗽・喘息:侠白(LU4)+尺沢(LU5)+肺兪(BL13)。
- 胸部症状:侠白(LU4)+膻中(CV17)+内関(PC6)。
- 精神症状:侠白(LU4)+神門(HT7)+印堂(奇穴)。
- 肩上腕痛:侠白(LU4)+肩髃(LI15)+曲池(LI11)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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