夾脊まとめ:効能・取穴・関連症状

名称

  • 和名:夾脊(きょうせき)
  • 経穴分類:奇穴
  • 由来:脊椎の両側に「挟む(夾)」ように取るため「夾脊」と称される。


取穴(位置・取り方)

  • 第1胸椎から第5腰椎までの棘突起下縁の外方0.5寸、左右に取る。
  • 胸椎・腰椎の範囲で計34穴(17椎 × 左右)とされる。
  • いわゆる「夾脊穴」と総称され、細かく「上夾脊」「中夾脊」「下夾脊」と分類される場合もある。


解剖(近接構造)

  • 表層:僧帽筋・脊柱起立筋など。
  • 深部:椎間関節・椎間孔から出る脊髄神経の枝。
  • 血管:肋間動静脈、腰動静脈の枝。
  • 神経:脊髄神経後枝の分布。


東洋医学的機能

  • 疏経活絡:経絡を通じ、気血の流れを整える。
  • 調和臓腑:脊椎両側にあるため、各臓腑と連動し機能を調整するとされる。
  • 止痛:局所の筋緊張・関節痛を和らげる。


古典的応用例

  • 『鍼灸甲乙経』:痿躄(下肢麻痺)、背痛に用いると記載。
  • 『奇穴図考』:咳嗽、喘息、消渇、泄瀉、痿証、腰脊痛などに応用。
  • 『鍼灸大成』:胸腹背腰の病に広く効くとされ、特に臓腑病に多用された。


刺鍼法(参考・古典的記載)

  • 直刺0.5〜1寸。深刺しすぎて胸腔や腹腔に入らないよう注意。
  • 灸も可能で、背腰痛や虚弱には温灸が用いられた。

※教育・研究目的の古典的記載です。実際の施術は必ず有資格者の指導を受けてください。



禁忌・注意

  • 胸椎部では刺入方向・深さに注意し、気胸を避ける。
  • 腰椎部では腎臓や腹腔内臓器への損傷に注意。
  • 細身の患者や小児では特に慎重に行う。


臨床のコツ・組み合わせ

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。

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