名称
- 和名:足竅陰(あしきょういん)
- 経穴:足の少陽胆経(GB44)、井穴、金穴
- 英名:Zuqiaoyin (GB44)
取穴(位置・取り方)
- 足の第4趾外側爪甲根部、爪甲角の近傍に取る。
- 第4趾外側の爪の生え際の角から、わずかに外側に取るのが目安。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 神経:足背指神経の分枝。
- 血管:足背指動脈の枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 清熱瀉火:胆経の熱を冷まし、火を鎮めるとされた。
- 醒神開竅:意識をはっきりさせ、精神を安定させる目的で応用された。
- 疏肝解鬱:肝胆経の気滞を調整するために用いられた。
古典的応用例
- 頭痛・偏頭痛:特に側頭部や偏側性の頭痛に用いられ、有効とされた。
- めまい・耳鳴:耳や平衡感覚の不調に対して改善を図る目的で選穴された。
- 不眠・悪夢:精神不安や夢が多いときに用いられた。
- 熱病・意識障害:高熱による煩躁や昏厥に対して応用された。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:浅刺 0.1〜0.2寸、あるいは点刺して微量の出血をさせることもあった。
- 古典的記載:急性症状(頭痛・昏厥など)の際に瀉法的に用いられたと伝わる。
- 灸法:冷えや慢性的な症状には灸を行う場合もあった。
※本記事は古典文献を基にした教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 皮膚が薄く血管も近いため、過度な刺激や深刺は避ける。
- 虚弱者や出血傾向がある人への点刺は控える。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 足竅陰(GB44)は胆経の井穴であり、急性症状や頭部疾患に頻繁に取り上げられた。
- 偏頭痛:風池(GB20)、合谷(LI4)と併用して頭部の熱や痛みを調整した。
- めまい・耳鳴:翳風(TE17)、聴会(GB2)と組み合わせて耳疾患に用いられた。
- 不眠・悪夢:神門(HT7)、安眠(EX-HN22)とあわせて精神安定を図った。
- 熱病・意識障害:水溝(GV26)、中衝(PC9)と併用して応用された。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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