名称
- 和名:下巨虚(げこきょ)
- 経穴:足の陽明胃経(ST39)
- 英名:Xiajuxu (ST39)
取穴(位置・取り方)
- 下腿前外側、犢鼻(ST35)から下方9寸、脛骨前縁の外方1横指。
- 上巨虚(ST37)の3寸下に位置する。
- 小腸の「下合穴」とされ、消化管の調整に重要。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚・皮下組織。
- 筋肉:前脛骨筋。
- 血管:前脛骨動脈・静脈。
- 神経:深腓骨神経。
東洋医学的機能(要点)
- 小腸の下合穴:小腸の気機を整える。
- 消化吸収の調整:食滞、下痢、腹痛に応用。
- 清熱利湿:下焦の湿熱を取り除き、泌尿器症状にも有効。
- 経脈疏通:下肢の循環改善、痛み・しびれの軽減。
臨床応用(例)
- 消化器症状:小腸炎、腹痛、下痢、便秘。
- 泌尿器症状:排尿障害、膀胱炎。
- 婦人科:下腹部痛、月経異常。
- 運動器:下肢の筋肉痛、しびれ。
刺鍼法(安全重視)
- 推奨針サイズ:直径0.20~0.25mm、長さ40mm程度。
- 刺入方向と深さ:
- 直刺 1.0~1.5寸(約25~40mm)。
- 深鍼時は血管・神経の損傷に注意。
- 保持時間:10~20分。
- 灸法:慢性の小腸炎や冷えを伴う便通異常には有効。
禁忌・注意
- 強刺激は腸炎の急性期に悪化を招く恐れあり。
- 妊婦への刺激は慎重に行う。
臨床のコツ・コンビネーション
- 下痢:下巨虚(ST39)+上巨虚(ST37)+天枢(ST25)。
- 小腸炎・腹痛:下巨虚(ST39)+中脘(CV12)+足三里(ST36)。
- 排尿障害:下巨虚(ST39)+中極(CV3)+陰陵泉(SP9)。
- 下肢のしびれ:下巨虚(ST39)+解谿(ST41)+承山(BL57)。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
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