肩中兪まとめ：効能・取穴・関連症状

名称

• 和名：肩中兪（けんちゅうゆ）
• 経穴：手の太陽小腸経（SI15）
• 英名：Jianzhongshu (SI15)

取穴（位置・取り方）

• 第5胸椎棘突起の下縁から外方2寸に取る。
• 肩甲間部のやや外側に位置し、脊柱と肩甲骨内縁との間で確認する。

解剖（近接構造）

• 表層：皮膚、皮下組織。
• 筋肉：僧帽筋、菱形筋、脊柱起立筋。
• 神経：肩甲背神経、胸神経後枝。
• 血管：肋間動脈後枝。
• 深部：肺尖部（刺鍼方向によっては注意を要する）。

東洋医学的機能（要点・古典的記載）

• 寛胸理気：胸中の鬱滞を和らげる目的で用いられた。
• 安神定志：心の不安や精神の乱れを鎮めると記されている。
• 調心行血：心の働きを調え、血の巡りを助けるとされた。

古典的応用例

• 循環器症状：動悸、息切れに対して選穴された。
• 精神神経症状：不眠、健忘、心悸亢進に応用された。
• 胸背部の症状：胸の詰まり、背中の張りや痛みに用いられた。

刺鍼法（古典的記載・参考）

• 刺入方法：0.5〜0.8寸、やや斜め内下方に刺すのが古典的記載。
• 古典的記載：心痛、健忘、不眠、胸満などに応用された。
• 灸法：温灸や隔物灸が用いられることがあった。

※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。深部に肺が位置するため、施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。

禁忌・注意（参考）

• 深刺により肺を損傷し気胸を起こす危険があるため、刺鍼方向・深度に注意が必要。
• 痩せた体型では特に浅刺が望ましい。

臨床のコツ・組み合わせ（古典的視点）

• 心悸・胸悶：内関（PC6）、膻中（CV17）と組み合わせ、胸の鬱滞を和らげる。
• 不眠・精神不安：神門（HT7）、肝兪（BL18）と併用して安神を図る。
• 背部痛：膈兪（BL17）と合わせて肩背部の緊張を緩和する。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。