小腸兪まとめ：効能・取穴・関連症状

名称

• 和名：小腸兪（しょうちょうゆ）
• 経穴：足の太陽膀胱経（BL27）
• 英名：Xiaochangshu (BL27)

取穴（位置・取り方）

• 仙骨部、第1仙骨孔の高さで、後正中線から外方1.5寸に取る。
• 仙骨孔を触知し、そこから外方に指1.5寸分で確認しやすい。
• 「小腸の背兪穴」として、消化吸収・小腸機能と深く関わる。

解剖（近接構造）

• 表層：皮膚・皮下組織。
• 筋層：大殿筋、仙棘筋。
• 神経・血管：仙骨神経後枝、外側仙骨動脈分枝。
• 深部臓器：小腸、大腸、泌尿生殖器系と関連が深い。

東洋医学的機能（要点）

• 理気化湿：小腸の気機を調整し、水分代謝を改善。
• 健脾和腸：下痢、腹痛、消化不良に有効。
• 利尿通淋：排尿困難、頻尿、淋証に応用。
• 腰仙部の痛み緩和：仙骨・腰部の緊張や疼痛に用いる。

臨床応用（消化器疾患・泌尿器疾患・腰仙部痛など）

• 下痢や消化不良には、小腸兪（BL27）と天枢（ST25）を組み合わせ、腸の機能を調整する。
• 排尿困難や膀胱炎には、小腸兪（BL27）と膀胱兪（BL28）を組み合わせ、利尿通淋を促す。
• 腹痛や腹満には、小腸兪（BL27）と気海（CV6）を併用して調整する。
• 腰仙部痛には、小腸兪（BL27）と腎兪（BL23）を合わせ、腰部の気血を補う。
• 月経不調や下腹部の張りには、小腸兪（BL27）と三陰交（SP6）で婦人科疾患に応用する。

刺鍼法（安全重視）

• 推奨針サイズ：直径0.20–0.25mm、長さ30–50mm。
• 刺入方向と深さ（初心者向け）：
  • 仙骨に向けて直刺、またはやや内下方へ向けて0.5–1寸（約10–20 mm）。
  • 深刺しすぎず、仙骨孔や神経への過刺激に注意する。
• 保持時間：10–20分。急性症状では軽刺激、慢性疾患にはやや長めに置鍼。
• 灸法：知熱灸・温灸を加えると下痢・冷え性・婦人科症状に有効。

禁忌・注意

• 深刺により仙骨神経を刺激しすぎると神経痛や異常感覚を生じることがある。
• 妊娠初期は原則として腰仙部への強い刺激は避ける。
• 発熱や炎症性腸疾患の急性期には灸は控える。

臨床のコツ・刺鍼コンビネーション

• 下痢・腹痛には、小腸兪（BL27）＋天枢（ST25）。
• 排尿困難や頻尿には、小腸兪（BL27）＋膀胱兪（BL28）。
• 腰仙部痛には、小腸兪（BL27）＋腎兪（BL23）。
• 婦人科症状には、小腸兪（BL27）＋三陰交（SP6）＋関元（CV4）。

※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。