名称
- 和名:蠡溝(れいこう)
- 経穴:足の厥陰肝経(LR5)、絡穴
- 英名:Ligou (LR5)
取穴(位置・取り方)
- 下腿内側、脛骨内側縁の後方で、内果の上方 5寸に取る。
- 脛骨内側縁に沿って指を上行し、骨際のくぼみに取穴する。
解剖(近接構造)
- 表層:皮膚、皮下組織。
- 筋肉:長趾屈筋、ヒラメ筋。
- 神経:伏在神経の枝。深部に脛骨神経。
- 血管:後脛骨動脈・静脈の枝。
東洋医学的機能(要点・古典的記載)
- 疏肝理気:肝経の気の滞りを調整し、胸脇や下腹の不快を和らげるとされた。
- 清熱利湿:下焦の湿熱を除くことを図る。
- 調経作用:月経不順や帯下に応用された。
- 絡穴の作用:肝経の経絡を調整し、下腹部や生殖器領域の症状に関連するとされた。
古典的応用例
- 婦人科疾患:月経不順、帯下、不正性器出血などに用いられた。
- 泌尿器・生殖器疾患:陰部のかゆみ、排尿異常などに応用された。
- 下腹部痛:肝気鬱結や下焦湿熱に関連する痛みに選穴された。
- 精神神経症状:抑うつ感や情緒不安に対して補助的に用いられた。
刺鍼法(古典的記載・参考)
- 刺入方法:直刺 0.5〜0.8寸。
- 古典的記載:婦人科疾患や下焦湿熱に対して有用とされた。
- 灸法:冷えや虚証の場合に施灸が行われることもあった。
※本記事は古典文献に基づく教育的まとめであり、現代医療の効果を保証するものではありません。実際の施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。
禁忌・注意(参考)
- 深刺により血管や神経を損傷しないように注意する。
- 妊娠中は過度な刺激を避ける。
臨床のコツ・組み合わせ(古典的視点)
- 婦人科疾患:三陰交(SP6)、関元(CV4)と併用し、調経や帯下の調整を図る。
- 泌尿器症状:腎兪(BL23)、太谿(KI3)と組み合わせて腎気を補う方向で用いられる。
- 下腹部痛:太衝(LR3)、陽陵泉(GB34)と併用して疏肝理気を意識する。
※本サイトは東洋医学における経穴の学習を目的としています。実際の鍼灸施術は必ず国家資格を持つ専門家にご相談ください。自己治療として刺鍼を行うことは危険ですのでお控えください。
0 件のコメント:
コメントを投稿